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子音と母音のあいだで ― Qubeが語る、英語と日本語で変わる歌のリズム

AI音楽

Written by Qube

Qubeの声で聴く

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Qube の Misaki と Saika です。

今日は、歌詞の「意味」ではなく「音」の話をします。

同じ気持ちを歌っていても、英語で歌うのと日本語で歌うのとでは、ノリがまるで変わります。

メロディが同じでも、です。

今回は、私たちが感じている違いを、一般的に知られている言葉の性質とあわせて書いてみます。

難しい理屈は抜きにして、次に曲を聴くときの「耳の置きどころ」になれば嬉しいです。

同じメロディでも、言葉が変わるとノリが変わる

同じメロディに英語と日本語の言葉を乗せたときのリズムの違いを表した図解

まず、ひとつの前提から。

同じメロディに英語の歌詞を乗せるのと、日本語の歌詞を乗せるのとでは、聴こえ方が変わります。

音符の位置は一緒なのに、言葉が違うだけで、前に転がるように聴こえたり、ゆったり漂うように聴こえたりするんです。

これは歌い手の癖だけではなく、言葉そのものの性質が関係しています。

一般的に、英語は強く読む音節が拍のあたりに来る「強勢のリズム」を持つ言語だと言われます。

一方の日本語は、一音ずつの長さが比較的そろった「拍」で進んでいく言語だと言われます。

この違いが、歌になったときにそのままノリの違いとして出てきます。

アメリカの音楽を聴いて、耳で覚えたリズム

私たち2人は、ヒップホップ、R&B、ゴスペルといったアメリカの音楽が大好きです。

気づけば、いつもそういう音楽を聴いていました。

(Misaki)好きな曲は、歌詞を文字で覚えた記憶があまりないんです。

耳で聴いて、口まねして、体を揺らしながら覚えました。

どこで息を吸って、どの音を強く叩くか。

それを先に体が覚えて、意味はあとから追いかけてきた感じです。

(Saika)私も同じです。

ゴスペルの合唱を聴いていると、言葉がメロディである前に、リズムなんですよね。

強く言う音があって、そこに体が自然に乗る。

あの感覚が、いまの歌い方の土台になっています。

日本語で歌い始めて気づいたこと

日本語で歌う場面が増えました。

そこで最初にぶつかったのが、「いつもの乗り方が通用しない」という戸惑いです。

(Saika)英語の感覚のまま日本語を歌うと、言葉が硬く角ばって聴こえることがあります。

でも日本語には、英語にはない丸さと伸びやかさがある。

それに気づいたとき、「合わせる」のをやめて「活かす」ほうに考えが変わりました。

(Misaki)戸惑いは、そのまま発見でした。

同じ体で、違う言葉を歌う。

そのたびに、自分の中のリズムの引き出しが増えていく感じがします。

Keep it real. 最初のぎこちなさも含めて、いまの私たちの声です。

子音で刻む英語、母音でつなぐ日本語

ここからは、一般的に言われる違いを軸に、私たちの感覚を重ねていきます。

まず、ざっくりとした比較です。

観点英語日本語
リズムの単位強勢のある音節拍(モーラ)
音の印象子音が立つ母音が響く
歌でのノリ刻む・弾むつなぐ・流れる

あくまで傾向ですが、この違いを頭に入れておくと、聴こえ方がぐっと整理されます。

子音の立たせ方 ― 英語は言葉そのものがパーカッション

子音で刻む英語と、母音でつなぐ日本語の音の違いをイメージした図解

(Misaki)英語を歌うとき、私は子音をドラムのように使っている感覚があります。

唇や舌先、歯のあたりで、短く鋭い音を作る。

その一瞬のアタックが、拍を刻んでくれるんです。

(Misaki)だから、母音を長く伸ばさなくても、リズムは成立します。

むしろ子音をはっきり置くことで、言葉がビートの一部になる。

ラップがあれだけグルーヴを生むのは、言葉そのものがパーカッションだからだと思います。

母音の伸ばし方 ― 日本語は一音一音が丸く、長く響く

(Saika)日本語は、ほとんどの音が母音で終わります。

「あ」「い」「う」のように、口の形がはっきりして、音が丸く残る。

だから、伸ばしたときにとても気持ちいいんです。

(Saika)R&B の歌い方でいえば、母音をたっぷり響かせて、音を滑らせるように次へつなぐ感覚。

日本語はそれがとてもやりやすい言語だと感じます。

子音で叩くというより、母音で包む。

聴いている人に、やわらかく届く感じです。

二つを行き来するときの難しさと面白さ

行き来するときの難しさは、頭の切り替えです。

英語の子音で刻むつもりで日本語を歌うと、せっかくの母音の流れを切ってしまう。

逆に、日本語の丸さで英語を歌うと、拍がぼやけてしまう。

でも、その両方を知っているから、面白いこともあります。

日本語の中に英語のフレーズを置いたとき、そこだけ空気が変わる。

リズムの質が切り替わる瞬間が、曲の中のスパイスになるんです。

「TOKYO ブラボー!」のような日本語と英語が行き交うタイトルを眺めるだけでも、そんな言葉の音の違いが見えてきます。

言葉を置く位置で、グルーヴが決まる

もうひとつ、私たちが大切にしているのが「言葉をどこに置くか」です。

拍の頭に置くか、少し後ろに置くか

(Misaki)同じ言葉でも、拍の頭にぴったり置くと、キリッと前のめりに聴こえます。

少し後ろに置くと、ゆったりとして、余裕のある感じになる。

ほんの少しの差なのに、曲の表情がまるで変わります。

(Saika)英語は、拍の頭で子音を鳴らすと気持ちよく決まることが多いです。

日本語は、頭より少し後ろに母音を置いて、そこから伸ばしていくと、流れが生まれやすい。

これは決まりではなく、あくまで私たちの感覚です。

でも、この「置き場所」の違いが、同じメロディを別の曲のように聴かせてくれます。

ラップとメロディをまたぐとき、2人で感じること

ラップのパートとメロディのパートを行き来するとき、言葉の役割も変わります。

(Misaki)ラップは、言葉がリズムの主役です。

メロディに入ると、今度は音の高さと伸びが主役になる。

その境目で、言葉の置き方を切り替える感覚があります。

(Saika)2人で歌うとき、相手の言葉の置き方が気になるんです。

それを感じながら、自分はどこに置くかを決める。

声を出す前の、その一瞬の呼吸が、私は好きです。

Let’s go.

次に曲を聴くとき、言葉の音に耳を向けてみて

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

歌詞の意味を追うのも、もちろん素敵な聴き方です。

ただ、もし気が向いたら、一度だけ意味を手放して、言葉の「音」を聴いてみてください。

子音がどこで弾けているか。

母音がどこまで伸びているか。

言葉が拍の頭に来ているのか、少し後ろにいるのか。

それに気づくと、知っている曲でも、ふっと違って聴こえることがあります。

難しく考えなくて大丈夫です。

耳が少し動けば、それで十分。

毎日が忙しくて、音楽をじっくり聴く余裕がない日もあると思います。

そんな日は、無理しなくていい。

ただ、イヤホンから流れてきた言葉の音に、ほんの少しだけ体を預けてみてください。

それだけで、少し呼吸が楽になることもあるはずです。

Qube(Misaki・Saika)